全身の健康を考え、将来の元気で長生きをサポートする治療がここにあります

– 歯周病 –

歯を失う原因の1位である歯周病は、成人の約8割がかかっているといわれています。歯周病においては歯と歯肉の間に細菌の塊であるプラークがたまって先ずは歯肉に炎症がおこります。次にそれが進行して歯を支える歯槽骨を溶かしていきます。

– 歯周病と全身疾患 –

歯周病は歯だけの病気考えられていましが、近年の研究で全身の病気と関連があることがわかってきました。
例えば動脈硬化や糖尿病、心疾患、脳卒中、高血圧などです。歯周病菌は抵抗力を失った歯肉の炎症部分から血液中に入り込み、全身を回ります。この状態は歯原性菌血症と呼ばれており、この状態が続くと血管に慢性的な炎症が起こります。
実際に動脈硬化などの病変部からは歯周病菌が検出されています。また、糖尿病や関節リウマチなどの慢性疾患との関係も強く指摘されています。

– 歯周病菌PCR検査 –

歯周病菌の中でもRed complex(レッドコンプレックス)といわれる3種類の悪玉菌は歯にとってとても危険でなことが分かっています。特に『P.g.菌(ピージー菌)』と呼ばれる菌がお口の中にいると歯周病がとても悪化しやすくなります。当院ではP.g.菌を40分で検出できる最新のPCR検査機を導入し、歯周病のリスクを正確に把握し、適切な治療を進めることができます。
PCR検査にてP.g.菌が『陽性』の場合…
このやっかいな歯周病を予防するために“3DS”という新しい除菌治療が開発されました。
方法としては、患者様の歯に合ったマウスピース(トレー)を作り、そこに殺菌作用のある薬剤を注入し、これを5分間お口に装着し、これを1日1回、毎日続けます。
これにより薬剤が歯と歯肉間にとどまり、効果的に除菌を行う事が可能となります。3DS法を行うことにより、歯周病やむし歯の予防するだけでなく、全身の健康を阻害する慢性炎症の発生を抑えて、患者様の健康・長寿をサポートすることが期待されます。

 

3DS法の流れ

歯周病の標準法(5回)

1 回目:初回検査

・お口の写真を撮ります。

・カウンセリングを行います。

・細菌等の検査を行います。

・マウスピースの型取りをします。

1~2週間後

2 回目:PMTC+3DS
・PMTC(歯科衛生士によるクリーニング)を行います。

・マウスピースを装着します。

マウスピースに殺菌効果のある薬を入れて5分間お口の中に装着します。2回目以降は毎日お家で5分間3DSを実施して頂きます。

7~10日後

3 回目:PMTC+3DS
・PMTC(歯科衛生士によるクリーニング)を行います。
・マウスピースを装着します。

2か月後

4 回目: 検査
・検査
・マウスピースを装着します。

細菌数等のチェックを行います。

1~2週間後

5 回目: 効果の判定とカウンセリング

・お口の写真を撮ります。

・効果を見てどちらかを判断します。

① 定期的なメインテナンス

② 再度3DS

以下の最新鋭機器の検査結果をもとにカウンセリングを行っています。
➀ 歯周病菌PCR検査機器

歯周病菌 (P.g.菌) に感染しているかを検査。歯間ブラシで歯垢を採取し、40分程度で検査結果がでます。

口腔細菌検査装置 orcoa

 

➁ AGE測定装置

今、体の“糖化”が老化を促進する要因として注目されています。活性酸素による酸化が“体のサビ”と言われるのに対して、糖化は“体のコゲ”とも呼ばれています。糖化は、食事などから摂った余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びついて、細胞などを劣化させる現象であり、これが進むと肌のシワやくすみ、シミなどとなって現れます。それだけでなく、糖化によってつくられるAGE(最終糖化産物)は内臓をはじめとする体内組織に作用して、多くの病気の原因となることが知られています。

さらには、歯周病、動脈硬化や白内障、アルツハイマーとの関連も指摘されています。口腔ケアステーションでは装置に指を乗せて十数秒でAGEの値を測定し、あなたの全身の健康のための資料とします。

AGEsセンサ(シャープライフサイエンス社製)
➂ 加速度脈波測定装置

“人は血管とともに老いる” これは医学教育の基礎を作ったとされるアメリカの内科医ウィリアム・オスラー博士の有名な言葉です。古くから医療の現場では、血管を若々しく保つことが健康の秘訣という認識がありました。“血管年齢”とは動脈壁の弾力性からみる血管老化度の目安であり、医師によって提唱された言葉です。加速度脈波測定装置は、あなたの血管年齢を指1本で簡単に測れる装置です。

➃ ストレス測定(唾液アミラーゼモニター)

ストレスが加わると免疫力が低下し、歯周病が早く進行します。また、ストレスによる歯ぎしりや食いしばりより、歯や歯を支える組織に異常な力が加わるため、歯が擦り減り、歯周病が重症化しやすくなります。
一方、ストレスが大きいと、交感神経が働いて、粘性の高いネバネバした唾液を分泌する唾液腺(舌下腺(ぜっかせん)、顎下腺(がっかせん))が刺激され、口の中がねばついた状態になり、相対的に水分も少なくなります。
一方、リラックスした状態では、副交感神経が働いて、粘性の低いサラサラした唾液を分泌する唾液腺(耳下腺(じかせん))が刺激され、口の中が潤った状態となります。つまり、ストレスが大きいほど口の中がねばつき、歯の表面が修復しづらくなってむし歯になりやすくなります。

➄ 体組成計

肥満症や糖尿病を中心とする代謝性疾患あるいは動脈硬化や心臓病などの循環器疾患に代表される生活習慣病のメカニズムが明らかにされてきています。そして、これらの慢性疾患、がんや認知症に共通する原因として体内の“慢性炎症”が存在することが注目されています。特に、内臓脂肪型の肥満は体内に慢性炎症が存在するのと同じ状態であると考えられるようになってきました。
また、食の偏りや運動不足などにより体内の筋肉の量が減っている状態(サルコペニアと呼ばれています)転倒や骨折の原因となります。口腔ケアステーションでは体組成計により、慢性炎症状態である内臓脂肪型肥満や筋肉量を測定し生活指導の資料といたします。


➅ 位相差顕微鏡

ご自身のお口の中の細菌を大型モニターにて実際に見ていただくことができます。特に注意が必要な活発に動く細菌が位相差顕微鏡で確認された場合には、悪い細菌のいない健康なお口の状態に戻すために、歯周病治療が必要となります。


➆ DNA細菌検査

一般的に行われている歯周病の検査は、レントゲン撮影や歯周ポケット検査等です。これらの検査は、歯周病の進行程度を把握することは可能ですが、どのような歯周病細菌に感染しているのかを診断(歯周病のリスク診断)することは不可能です。感染している歯周病細菌の種類により その予後(将来性)は大きく変わりますし、特に進行した歯周病の場合には、感染している歯周病細菌の種類により治療法が変わります。口腔ケアステーションでは、特に重度の歯周病の場合には、最新のDNA細菌検査を行っています。この検査による結果に基づいて、従来の歯周病治療では行えなかった、治療効果の高い除菌療法や最新の歯周病治療を行っております。


➇ ご希望によりDNA検査と健康指導

遺伝子検査による歯周病プログラムを自由診療で始めました。歯周病は歯のみならず全身の健康や病気(糖尿病・動脈硬化・がん・脳血管疾患・関節リウマチ・アルツハイマー型認知症)に影響を及ぼします。しかし、歯周病は明らかな症状がでてから治療を開始する場合が多く、治療を始める段階においてかなり症状が進んでいることが少なくありません。けれども現在、遺伝子情報を取り入れた最新の医療技術で歯周病のなりやすさを予測する時代が訪れています。歯周病になりやすい体質は、みなさまの体質(遺伝因子)の違いも影響しています。ですから自分自身の遺伝子情報を知ることが予防への第一歩となります。口腔ケアステーションでは、「MYCODE」による遺伝因子検査を用いて歯周病や関連する疾患に対する予防を、未病のうちからサポートします。まずは、担当医師までお問い合わせください。


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